中国茶礼讃

いまやレアなお茶。独特の工程「悶黄」によって生み出される黄茶…という話。

こんにちは
中国茶礼讃へようこそ。
管理人の篠塚です。

今回の記事は、唐の時代から皇帝に献上された希少なお茶である「黄湯黄葉」が特色の黄茶です。

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特有の工程「悶黄(もんこう)」が生み出す風味と色合い

その名が示す通り、黄茶は茶葉も水色も黄色味を帯びています。その理由は、「悶黄」と呼ばれる特有の工程にあります。悶黄とは、仕上げの乾燥の前に、茶葉に菌をつけて積み重ね、高温多湿の場所でゆっくりと発酵させることです。

こうすることで、独特の風味と茶葉の色合いとが生まれます。弱後発酵茶と呼ばれ、味わいは渋みのない緑茶に似ています。工程に手間がかかるため、生産量は減る一方で、今や希少な存在のお茶だと言えましょう。

茶葉の芽だけを使う黄芽茶、若葉で作る黄小茶、やや大きめの葉を用いる黄大茶の3つに分類されます。茶葉の形が美しく、お湯の中でゆらゆらと動く様子は鑑賞向きです。ガラスの茶器で入れるのもオススメです。

製造工程

製造工程は緑茶の作り方に似ていますが、違いは先程述べました「悶黄」と言う工程が加わることです。 1回目の乾燥で50%よりやや多く水分を蒸発させ、香りと味とを安定させたら、菌をつけて発酵させます。最後に、火入れをしてゆっくり乾燥させて仕上げます。

歴史

唐の時代について書かれた文献によれば、皇帝への献上茶のひとつとして黄茶が挙げられており、その歴史が古いことがわかります。現在の製法が確立されるのは18世紀になってからのことです。昔も今も希少価値の高い非常に高いお茶として知られています。

それでは以下にどんな黄茶があるか、その代表的な種類を見てみましょう。

代表的な黄茶その特徴と味わい

君山銀針

高貴な香りと深みのある味わいの黄茶の代表的な銘柄です。皇帝への献上茶として知られ、お湯を入れると茶葉が浮かび立つため、皇帝や文人たちはその様子を愛でたと言われます。

一斤で2万から2万5千個の摘んだばかりの新芽を必要とし、複雑な工程を経て作られるため生産量が非常に少ない貴重なお茶です。茶葉を軽く発酵させる悶黄を行うことで黄色く変色します。

細長く尖り肉厚でふくよかなふっくらとした茶葉は大きさ形ともに整っており、その精緻なお茶作りが伺えます。ガラスコップで入れると茶葉が上下にジャンピングする様子を目で楽しむこともできます。

爽やかな燻焙香とフルーティーな甘い香りとがブレンドされた芳香が高貴さを感じさせる名品です。

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黄茶 君山銀針20g
湯温度:80〜90℃
抽出時間:3分程度

蒙頂黄芽

四川省の名峰、蒙山を産地とするお茶です。 2000年前の漢の時代には既に存在していたとされ、病を癒し、若返りの効果のある不老不死の薬と考えられていた伝説の黄茶です。唐代中期の漢詩人・白居易もこのお茶を絶賛したと伝えられています。

一時生産が衰退しましたが、1959年に復活を遂げた歴史的銘茶です。フルーティーですっきりとした爽やかな香りと、どことなく鰹節を思わせるような、独特の厚みのある風味が特徴です。後味にもほんのりと甘みが残ります。

黄茶の中でもとりわけ飲みやすく、緑茶に近い味わいと言えるのはこの蒙頂黄芽です。品質のランクが高ければ高いほど、香りも徐々に濃く芳醇に感じられます。また、甘みのある花のような香りを感じることもできます。

蒙頂黄小茶 30g
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天香茶行 蒙頂黄小茶 中国茶 茶葉 お茶 (30g)
湯温度:80〜90℃
抽出時間:2〜3分程度

 

如何でしたか?

製造が他のお茶とは異なり多工程であるがゆえに、生産量が減る一方の黄茶について「いまやレアなお茶。独特の工程「悶黄」によって生み出される黄茶…という話。」と題して記事を書きました。

この黄茶、製造の過程で生まれた酵素が胃腸に優しく、また胃腸の働きを促す効果もあるそうで、便秘に効くとも言われているのです。

次の記事では青茶について書く予定です。

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