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中国茶礼讃へようこそ。
管理人の篠塚です。
日本でも馴染みが深い中国茶といえば、「烏龍茶」は青茶の代表格です。今回の記事では、その青茶の代表的銘茶をご紹介しましょう。
発酵の度合いが多彩で、香りを楽しむお茶
日本で最も有名な中国茶のひとつである烏龍茶は、この青茶に属します。ある程度、発酵を進ませてから、それを途中で止めてしまうため、半発酵茶と呼ばれています。「半」とはいうものの、発酵度が50%というわけではありません。発酵の度合いは8〜80%と幅広く、種類も実に豊富です。それゆえ、味や香りは緑茶に近いものから紅茶のようなものまで、バラエティに富んでいます。
青茶は「香りを聞く」といわれるほど、香り高いのが魅力です。それを十分に堪能するために編み出された茶道具や茶器も多く、聞香杯と呼ばれる茶杯は特に有名です。
製造工程
茶葉をしおらせたら(萎凋)、軽く揺らしてかき混ぜる作業に移ります(做青・揺青)。葉の水分を緩やかに蒸発させて、香りと味とを作り出し、発酵を促します。その後、殺青により発酵を止めますが、どのタイミングで止めるかによって発酵の度合いは変わってきます。このように手間ひまかけた製法によって幅広い発酵度が実現されています。
歴史
青茶の歴史は意外に新しく、製造されるようになったのは、清の時代です。これまでにない香り高いお茶の登場によって多くの人に受け入れられ、烏龍茶は1800年代半ばには一躍大ブームとなり、その生産量は大幅にアップしました。中国茶が6種類に大分類されるようになったのはこの時代です。
代表的な青茶、その特徴と味わい
青茶の中で更に4つの中分類に分けられる
青茶の代表的な産地と言えば、福建省、広東省、台湾ですこれらの産地の違いによって、青茶は大陸系3種&台湾系の4つに分類できます。福建省北部を中心とした「閩北烏龍茶」、福建省南部を中心とした「閩南烏龍茶」、広東省東部の「広東烏龍茶」そして「台湾烏龍茶」です。各分類に属する代表的なお茶には以下のものがあります。
- 閩北烏龍茶【岩茶】:白鶏冠、鉄羅漢、水金亀、大紅袍、正岩水仙、肉桂
- 閩南烏龍茶【安渓鉄観音】:清香安渓鉄観音、濃香安渓鉄観音、黄金桂、本山、毛蟹、佛手
- 広東烏龍茶【烏崠単叢・鳳凰単叢】:烏崠単叢黄枝香、烏崠単叢八仙香、烏崠単叢桂花香、宋種単叢、鳳凰単叢蜜蘭香、嶺頭単叢
- 台湾烏龍茶:金萱茶、四季春、凍頂烏龍茶、文山包種茶、東方美人茶、木柵鉄観音、大禹嶺烏龍茶、梨山烏龍茶、杉林渓烏龍茶、阿里山烏龍茶
閩北烏龍茶【岩茶】
白鶏冠
四大岩茶のひとつ。茶葉は比較的白く、若芽の生え方が鶏冠のようなのでこの名がついたとされています。
岩茶に共通する特徴は、厚みのある味と香りの余韻とが長く続くことです。中でも白鶏冠は、優しい香りと味わいとがあり、甘い香りの奥にほのかな芳ばしさが楽しめます。日常生活の中でリラックスしたいときなどに最適です。
茶葉は軽くよじれた条形で、水色は橙黄色をしている。茶摘は5月の中旬頃、一芯二葉から三葉、開面採で行います。
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【武夷岩茶】白鶏冠 25g
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
鉄羅漢
四大岩茶のひとつ。そもそも岩茶は体を温める作用が強いと言われていますが、中でもこの鉄羅漢は多くの病を直したと言う逸話を持ち、特に伝染病に効くと期待されてきたお茶です。特徴は穏やかに香る焙煎香と厚みのある濃厚な味です。また「岩韻」と呼ばれる特有の甘い後味、残香があります。水色は橙紅色で茶葉はよじれた墨緑色です。
日々の体調を整えたり、寒い雪の日にほっと一息つきたいときに飲むお茶としても非常にオススメで、寒い季節には、飲めば体の奥から温まります。
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岩茶鉄羅漢30g てつらかん がんちゃ 中国茶 烏龍茶
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
水金亀
水金亀もまた四大岩茶のひとつ。名前の由来は、川沿いに栄えた原木の姿が、黄金に輝く水面からまるで亀が覗いているように見えたことから着いたとされています。また、この水金亀は、その占有権をめぐり、初めての訴訟が起こった茶葉なのです。この茶葉領土をめぐる裁判は、決着までに20年を要しました。比較的穏やかな香りを持ち、柑橘系の果実のような爽やかな酸味と柔らかな甘みがあり飲みやすいです。もちろん岩茶特有の余韻も十分に楽しめ、日常のお茶として幅広く楽しまれています。
ミネラルに育まれた甘みのある香りと厚みのある味わいとが水金亀の特徴です。
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岩茶水金亀30g すいきんき がんちゃ 中国茶 烏龍茶
湯温度:80〜90℃
抽出時間:3分程度
大紅袍
武夷4大岩茶の1つで、300種類もある岩茶の中で「岩茶の王様」と呼ばれる伝説の烏龍茶です。名前の由来も諸説あり、古に皇后の病を直したと言う理由から皇帝、あるいはそのクラスに君臨する人への献上茶となっています。濃厚な果実や花の香りを持ち、味わいも深くて濃厚です。またこの香りと味のバランスとが実に絶妙です。他の茶葉では作り出せない、特別な力を秘めています。
原木のお茶が一般に出回る事はありません。この大紅袍は、原木に近い木から作られたものがより高価です。
大紅袍は、若葉の色が紫紅色を呈し、まるで中国古代役人の赤い官服のように見えることから、その名がついたとも言われています。
茶葉は太く捩れ色合いは茶色です。
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岩茶大紅袍20g だいこうほう がんちゃ 中国茶 烏龍茶
湯温度:90〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
正岩水仙
非常に飲みやすいお茶で、古代から人気が高く生産量も非常に多いです。その魅力は、清らかな花系の香りに心静まる香木のような香りが隠れていることです。またすっきりとしながらも、独特のまろやかさと後味の甘みが楽しめて余韻が長いです。喉のあたりに岩茶特有の甘い余韻が長くとどまり、5煎6煎と杯を進めても、香りと味とのバランスが崩れません。また老木は薬効があるとされています。
クセがなく、優しい口当たりの正岩水仙は、入門の岩茶としても最適です。
深緑色の茶葉が持つ芳醇な味わいが特徴です。
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ウーロン茶 烏龍茶 武夷山岩茶 特級水仙茶80g 中国茶 青茶 茶葉 大紅袍 茶叶
湯温度:90〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
肉桂
生産量・人気ともにトップを誇る品種改良された武夷岩茶です。艶があり、きらびやかなほどに広がるキンモクセイの花のような甘い香りが楽しめます。岩茶の生産量のなかで、この肉桂は50%を占めています。それは香りと味とが安定している点にあるそうです。
肉桂はシナモンの意味です。上質な茶葉は肉厚で、険しい武夷山の岩場で育った滋養と、コクのある芳醇な香りを併せ持つ力のある岩茶です。また岩茶の特徴である「岩韻」は、飲み終えた後も印象に残り続けます。まさに大自然の恵みに圧倒されるようなお茶は、飲めばほっと心を沈めてくれるに違いありません。
深緑色の茶葉が持つスパイシーな肉桂香が特徴です。
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岩茶肉桂 茶葉30g 中国茶 烏龍茶 ウーロン茶 うーろんちゃ
湯温度:90〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
閩南烏龍茶【安渓鉄観音】
清香安渓鉄観音
福建省北部でとれる烏龍茶はには有名な武夷岩茶がありますが、南部にも有名な鉄観音があります。清香安渓鉄観音は生産高トップの烏龍茶で、揉捻と玉解きとを繰り返した茶葉は濃い緑色をしており、味わいは芳醇で適度な渋みがあり、蜜や花のような特有の香りが特徴です。清香系のお茶ながら、嫌な青っぽさはなく、安渓らしい爽やかさを存分に味わえます。
名前の由来は、清の乾隆年間、安渓の茶農が山で見つけた茶樹を持ち帰って育てたところ、茶葉が鉄のように重く、観音様のように美しく輝いていたところから「鉄観音」とついたとされます。
茶葉の特徴は、全体の半分が丸くよじれて、色は深緑色です。まるでその姿がトンボの頭のようだと言われています。
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安渓鉄観音 中国茶 鉄観音 鉄観音茶 茶葉50g
湯温度:90〜100℃
抽出時間:1分程度
濃香安渓鉄観音
濃香安渓鉄観音も、芳醇で適度な渋みがあり、蜜や果物のような特有の香りが特徴です。
良質の茶葉、伝統に則った製法で丁寧に作られた最高ランクの茶葉は、一芽二葉がほぼ全面に開き成熟した原料を使い、しっかり発酵させ、火入れはやや強めに行います。茶葉は半球状で杏の様な、フルーティーさが顕著な味わいと乳花香と呼ばれる特有の香りがあります。また長く続く余韻があり、これを「音韻」といいます。水色は、彩度の高い明るい橙色です。食事中や食後に飲むのも良いでしょう。芳醇な味わいと香りとを持ち、飲めば体をホカホカに温めてくれます。
湯温度:90〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
黄金桂
金木犀や柑橘系の花のような香りとふくよかな甘みとを持ち、別名「金の烏龍茶」とも呼ばれています。「黄旦」と言う茶種から作られ発酵度は比較的浅いです。
茶葉は半球状で明るい緑色をしており、味はすっきりとしながらもふくよかで、そして、わずかな甘みがあるので非常に飲みやすいです。また、別名「通天香」または「透天香」と呼ばれるほど香りが高いことが何よりも特徴といえます。名前の由来はもともとの「黄金貴」という名前に、桂花の香りであることで「黄金桂」となったと言われています。
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王品黄金桂 茶葉50g 中国茶 おうごんけい 烏龍茶 ウーロン茶 うーろんちゃ
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
本山
色種のひとつ。鉄観音と比べると発酵度が比較的浅く、香りと味との演出が似ています。そのため、別名「小観音」と呼ばれています。
華南地方の烏龍茶ですが、安渓鉄観音とほぼ同様の製法で作られるため、味わいは似ています。すっきりして口当たりも良いので、大変飲みやすく、香りも透明感があり穏やかです。半発酵茶ならではのコクが旨味となり、ほのぼのとした気分になります。生産量の多いお茶なので、値段も手頃なものが多く、庶民のお茶として人気があります。
安渓で生産している茶葉の中で「本山」「毛蟹」「佛手」「梅占」の茶葉は色種と呼ばれています。発酵度は比較的浅く、鉄観音の故郷、西坪産の烏龍茶です。
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
毛蟹
毛蟹種と言う品種の茶葉から作られる青茶で「色種」の一種です。安渓県で作られ、名前の由来になっている「毛蟹」とは、茶葉に生えている産毛が、蟹に生えている産毛をイメージさせることから名付けられたとされています。安渓鉄観音などとほぼ同じ製法の半発酵茶で、発酵は浅いです。
ユニークな名前ですが、ジャスミンにも似た特有の花のような高い香りと、すっきりとしたシャープな切れ味とが特徴です。半発酵茶ならではのコクとクセのない旨味が楽しめます。初心者でもとても飲みやすいお茶です。
この毛蟹は、年に5回ほど摘まれますが、春茶(穀雨〜立夏)と、秋茶(秋分〜寒露)が最も美味しいとされています。
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毛蟹50g 中国茶 烏龍茶 茶葉 ウーロン茶 うーろんちゃ
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
佛手
柑橘系の熟した果物の香りや厚みを持ち、芳醇な味わいが口の中で広がる特徴があります。鉄観音は、飲んだ後に喉元に戻る完熟果実の喉韻が魅力ですが、鉄観音より口当たりが柔らかで、佛手は口に含んだ瞬間から丸みと甘みとを帯びた香りが楽しめます。茶葉は、黄色がかった青緑色をしています。水色は、透明感があり繊細です。
すぐに飲んでも、しばらく寝かせてから飲んでも飲みやすく、リラックスを求める時など、普段の生活に取り入れたいものです。
佛手と言う名前の由来は、茶葉がまるで仏様の手のように丸い形をしていることから付いたとされています。葉は肉厚で、重みもあり、形は半球状です。
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烏龍茶 永春佛手烏龍茶 プレミアム30g(5gX6p) メール便
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
広東烏龍茶【烏崠単叢・鳳凰単叢】
烏崠単叢黄枝香
標高の高い烏崠山に生息する、樹齢100年を超える茶樹から採取した広東省烏龍茶のひとつです。中でも黄枝香はその名の通り、黄枝=クチナシや洋梨を思わせる甘い香りと、果実はようなすっきりとした味わいが特徴です。
シーズンごとに摘まれますが、最も高級とされるのは春茶で、その細く柔らかい茶葉は濃い緑色をしています。現地では山海の幸を多彩な調理法で楽しめる広東料理の後にも飲まれています。
フルーツケーキなどの甘味の強いお菓子のお供にもお勧めです。
同じ品種の茶樹でも、名産・鳳凰山で作られる銘茶「鳳凰単叢」よりもさらに標高の高い烏崠山で育った鳳凰水仙種の古い茶樹から作られています。同じ鳳凰水仙種ですが、標高の高さや霧、日照条件の違いで味わいも違います。
湯温度:95〜100℃
抽出時間:1分程度
烏崠単叢八仙香
一本の古樹から取り木で繁殖させ、烏崠山の一部分に8本群生したことを、中国の有名な古代神話「八仙過海」になぞらえてその名がついたと言われています。
豊かな芳香が楽しめる単叢の中でも特に個性的で香りや甘みが強く、スパイスの効いた料理の口直しやデザートがわりにぴったりの青茶です。
収穫年度や時季によって毎回味わいが異なるものでも特徴で、その味わいは非常に多彩です。一通り の青茶を味わい尽くした中国茶通にはイチオシの茶葉です。
烏崠単叢八仙香は、烏崠単叢黄枝香と同じく、標高の高い烏崠山で育つ大きな茶樹から作られます。この地域の茶葉は味わいも香りも他の地域にはない個性豊かなものです。一芯二葉で摘まれる茶葉は大きく細長いストレートな形状をしています。
湯温度:95〜100℃
抽出時間:1分程度
烏崠単叢桂花香
桂花は金木犀のことです。中国茶には金木犀のような香りがする茶葉がいくつかありますが、桂花香は、特に香り付けをするわけでもなく自然由来のものです。口に含むと爽やかな甘みがふわりと広がりますが、後味は意外にもキリッと締まりのある味わいで、単叢の中でも人気が高いお茶です。
淹れて直ぐよりも、煎を重ねるごとに金木犀特有の甘い香りが漂ってきます。非常に煎が良く、少しの茶葉で何煎も楽しめるのは嬉しいことです。中華スイーツとの相性もとてもいいです。
茶葉は明るい茶褐色で細長い条形をしています。桂花香の香りは、花茶やフレーバーティーのように後付けではなく、茶葉そのものの香りです。そのため、長期保存しても香りがなくなりません。
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
宋種単叢
標高の高い烏崠山に生えている茶樹の中でも、宋の時代から伝わる樹齢数百年の茶樹から収穫したものを宋種単叢と呼びます。南宋末期に皇帝が偶然この場所を訪れたとき、鳳凰の嘴のような形をした茶葉で入れたお茶を飲んで、そのおいしさに感激したと言う逸話から「宋種」の名前が付きました。
香りはいずれも甘く芳醇です。茶葉はしっかりよじれた細長い形状をしており、丸みがある味わいで甘みがあり上品で繊細です。余韻が長く、12煎以上も楽しめるのですよ!若い茶樹から摘み取る鳳凰単叢と飲み比べてみるのも面白いでしょう。
宋種単叢とは、最高級の単叢と言われ、樹齢100年を超える茶樹が約3000株ある烏崠山の中でも非常に古い老茶樹から丁寧に加工されます。
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
鳳凰単叢蜜蘭香
鳳凰単叢と言えば、広東省を代表する烏龍茶です。甘い蜜を混ぜたような独特の香りあるいは花や果実のような香りと、繊細な味わいを持ち、世界中のファンに親しまれている単叢です。
そのうち最も人気があり、生産量も多いのがこの蜜蘭香です。蜜のような甘さの中にライチやマスカットを思わせる香りがすっきりと広がり、中国茶初心者でも存分に楽しめます。
当時から小雪の間だけ摘む雪片や最も高級な春茶など、収穫する時期別に試してみるのも面白いでしょう。
細くよじれたオレンジに近い茶褐色の茶葉ですが、この鳳凰単叢は茶樹ごとに香りや風味が異なるため、ブレンドはせず1株ごとに収穫します。その種類は現在80種類以上あるといいます。実際に国内市場でも鳳凰単叢のあとに○○香つ付く様々な種類のお茶が販売されています。数種類を集めた飲み比べセットもありご自分の好みの鳳凰単叢を探るのも楽しみの一つだと思います。
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烏龍茶【鳳凰単叢お試しセット 蜜蘭香・杏仁香・梔子香・玉蘭香】4種類=計40g
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湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
嶺頭単叢
1961年、鳳凰水仙種の茶樹に突然変異種が偶然発見されました。その木を繁殖させて作っている青茶が嶺頭単叢です。歴史の古い中国茶界の中でもニューフェイスと言えましょう。
鳳凰単叢の産地である広東省潮州市にある嶺頭村で生産され、単叢は一般的に高地にある老樹から収穫されることが多いのですが、この嶺頭単叢は若くても優良な茶樹として高く評価されています。
茶樹そのものの質が良く、挿し木をしてもすぐに環境に適応できるため、瞬く間に茶畑の面積を広げ、人気品種として定着しました。
鳳凰単叢を強めにしたような味わいで、蜂蜜のように甘く濃厚な香りと清涼感のあるのど越しが魅力です。しっかりした味わいで、どんな料理やデザートに合わせても相性は抜群です。
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
台湾烏龍茶
金萱茶
台湾の茶芸館で人気があるお茶で、ココナッツのような甘い香りに魅了されて、中国茶を飲み始めた人も大勢いるほどです。
金萱茶は台湾の茶葉改良試験場で作られた「台茶12号」と呼ばれる新品種です。茶葉は丸くしまった球状で、水色は鮮やかな艶のある緑色です。上等な茶葉はミルクのような甘い香りと同時に、瑞々しい味わいがあります。また爽快感やフレッシュさも感じられ、清々しい余韻を長く楽しめることが魅力です。また茶葉自体に生命力があることも特徴です。
摘む時期によって味わいが異なり、春茶が最も香り高く、秋茶はやや強い味です。
金萱茶が取れる阿里山は海抜1,600メートルの標高で清らかな空気と豊かな土壌に恵まれ、茶葉はとても優しく、上品な甘さがあります。茶樹は標高の高い土地では育ちにくく、海抜2000メートルの梨山が限界とも言われています。
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凍頂金萱茶 茶葉50g 台湾茶 台湾烏龍茶 きんせんちゃ 凍頂 とうちょう
湯温度:95〜100℃
抽出時間:1分程度
四季春
農家が自主的に通年安定供給できるおいしい茶葉を生産するために開発して作られたウーロン茶の新品種です。 一年中安定しておいしいお茶が作られることから「四季春」の名がついたと言われています。
揉捻された緑色の茶葉を持ち、早春を思わせる優しい香りとさっぱりとした甘みを含む味わいのお茶で、香りと味とのバランスが絶妙です。高品質な春茶は、春蘭のような甘い香りがあり、口に含むと心が落ち着くような甘みと瑞々しさが感じられます。また後味も大変爽やかです。普段の生活に気軽に取り入れやすく、入門茶としても最適です。
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湯温度:95〜100℃
抽出時間:1分程度
凍頂烏龍茶
凍頂烏龍茶は台湾の烏龍茶の代名詞とされています。一般の烏龍茶より発酵度が低く、何度も揉んで作られた茶葉は球状に固くよじれて、深緑色をしています。水色は明るく黄金色で、清新な花の香りとまろやかな風味とが人気の秘密です。
香りとコクとをバランスよく併せ持った凍頂烏龍茶は、近年では花粉症やむくみに効くという効能も注目されています。薄めに入れて香りを楽しんだり、濃いめに入れて味を楽しんだりと、淹れ方によって味わいが微妙に変化するなどの奥深さがあります。
凍頂烏龍茶の旬は年に2回あります。4月下旬から5月に摘まれる春茶、11月から12月上旬に摘まれる冬茶は甘く、ともに評価が高いです。
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湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
文山包種茶
台湾北部分山地区一帯で栽培される分山包種茶は「清茶」とも呼ばれ、清らかな香りを持ちます。
四方系の紙に包まれて売られていたことからこの名がついたとされ、発酵度は15%と浅く香料無添加の烏龍茶です。
茶葉は軽くよじれた形状で、かすかに甘い、蘭の花のような香りを持ち、味わいは軽やかでさらりと喉を通り、体にすっと馴染んでいきます。緑茶に近い味わいでクセがなく小さな子供でも安心して飲めて、脂っこい点心などとも好相性です。また凍頂烏龍茶と同様、花粉症対策などの効能も期待できます。
「包種」の別名は「包中」で100%的中すると言う意味があります。そのためゲンを担いで、試験や賭け事の前に飲む人も多いそうです。
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湯温度:95〜100℃
抽出時間:1分程度
東方美人茶
東方美人茶は、オレンジ色がかった琥珀色の水色がシャンパーニュに似ていることから、香檳烏龍茶とも呼ばれ、台湾茶の中でも、早くから世界に知られた歴史のある烏龍茶です。
発酵度が70%と高く、数ある烏龍茶の中でも紅茶に近い味わいと言えましょう。
ウンカと言う虫が吸着することによって生まれる独特の蜜のような香りや華やかな風味は、19世紀のヨーロッパで評判となり、台湾を代表するお茶「オリエンタル・ビューティー」として有名になりました。冷やして蜂蜜を垂らせば、子供も大喜びでしょう。
また、お酒との相性も抜群です。洋酒の中に東方美人茶を垂らせば、より一層お酒の風味が増します。シャンパーニュとも相性が良いです。
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湯温度:85〜95℃
抽出時間:30秒〜1分程度
木柵鉄観音
台湾の木柵地区で作られる木柵鉄観音は、中国の安渓鉄観音の流れを汲みながら、独特の味わいを実現しました。
丸く黒艶のある茶葉で、香ばしさの奥に花のような柑橘系の香りが潜み、飲むたびに複雑に折り重なる香りを堪能できます。大変飲みやすいので、油っぽい食事の際にはもちろん、日常飲むお茶としてもお勧めです。また、酔い覚ましや体を温める効果もあり、二日酔いにも効くとされています。さらには脂肪分解させる酵素が多く含まれているので、中性脂肪が気になる方は是非どうぞ。
木柵烏龍茶は、安渓鉄観音の製法を台湾木柵地区で受け継いだお茶で、「鉄観音」は茶樹の品種であると同時に、独特の工程を経て製茶された特定の味わいを持つ製品の名称でもあります。
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湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
大禹嶺烏龍茶
大禹嶺烏龍茶は台湾高冷茶の最高峰とも言われ、年に2回だけ収穫されます。極めて生産量の少ないお茶で、大切なお茶会や少し贅沢をしたいときなどに重宝されるでしょう。
艶があり、硬く引き締まった美しい緑色の茶葉です。シャープで突き抜けるような爽やかな香りで、まるで森林浴をしているような気分になります。その芳醇な味わいは、心地よい余韻となって長く長くいつまでも楽しめます。標高2600メートルの高地で、高い技量を備えた最高の職人たちが、大自然と向き合い作り上げる銘茶です。
高冷山は昼と夜の気温差が大きく、また太陽の光質が良いことなどから、そこで産出される高冷茶の茶葉に多彩な味わいや芳醇な香りが生まれるのです。
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大禹嶺20g だいうりょう 台湾茶 高山茶 だーうーりん 台湾烏龍茶 高級茶 ウーロン うーろん 茶葉
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
梨山烏龍茶
梨山烏龍茶は、海抜2000メートル級の台湾高冷烏龍茶の中で一番の注目株です。梨山は台湾の背骨ともいわれる中央山脈の中心位置にあり、ご来光の名所でもあります。以前はこの地でたくさんの梨を植えていたことから梨山と呼ばれています。
茶葉は丸く大きく整い、豊かな艶を湛えており、少し刺激的な香りがあるのが特徴で、極上品は後味の上品さと繊細な香りをより楽しめます。水色は、透明感のある黄金色で、旨味が口に広がる繊細な味わいです。ひと口飲めば、3分以上口の中で多彩な変化を楽しむことができます。台湾の高冷茶を飲むのがはじめての人や、茶会の締めにオススメです。
2300メートルの深山は大自然のパノラマです。梨山の豊かな土壌で、山の滋養を吸い上げ、寒い冬に耐えてゆっくりと育った茶葉は、艶やかで大きく、深みのある緑緑色に育ちます。標高が高いため、生産量も極めて少なく、収穫は年2回です。
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梨山烏龍茶20g 台湾茶 高山茶 台湾烏龍茶 梨山茶 りざん うーろん
湯温度:80〜90℃
抽出時間:30秒〜1分程度
杉林渓烏龍茶
標高1800メートルの高地にある杉林渓。この地は一年中霧が深く、日照時間が短い地域で、茶葉は丁寧に手摘みされます。飲めば清香系の王道の清々しさと芳醇な深い味わいが口の中を満たし、ずっと身を委ねていたくなる感覚になります。
やや大きめの球状の茶葉の杉林渓烏龍茶は高山茶らしい、苦味は少なく、清香特有の透明感ある香りがあることが特徴です。味わいはソフトな桃のような上品で心地良い甘みがあり、全体に瑞々しくすっきりしていて心地良いフレッシュな余韻が楽しめます。また味と香りのバランスも素晴らしいです。朝の一杯としてオススメです。
やや大きめの球状でコクと香りを湛えます。
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湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
阿里山烏龍茶
阿里山烏龍茶は、標高1500メートルを誇る台湾を代表する名山の1つ「阿里山」で育ったお茶です。高山の厳しい自然環境の中で育成した茶葉は大きめの球状をしており、アミノ酸が豊富で、伸びのあるフローラル系の甘い香りを持ちます。味わいは芳醇で、余韻が長いことも特徴です。透明感のある味わいの杯を重ねていくたびに、心身が軽くリフレッシュされていくのが感じられる高山茶です。
山の息吹のような清涼感を堪能しつつ、煎を重ねるごとに少しずつ引き出されていく阿里山特有の優しく芳醇な甘みを味わいたいです。
高山茶と高冷茶との名称は、標高約1000メートルの山で生産されるお茶が高山茶であるのに対し、約2000メートルの山が作られるのが高冷茶です。茶葉の値段は、標高の高さに比例するといっても差し支えありません。
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Tea Heart (R) 台湾茶 お茶 阿里山 高山茶 烏龍茶 茶葉 ウーロン茶 Organic Farm SGS Taiwan (Alishan 阿里山, 150g)
湯温度:95〜100℃
抽出時間:30秒〜1分程度
余録:台湾茶の飲み比べセットが楽しい
広東烏龍茶の鳳凰単叢の項でもご紹介した数種類を集めた「飲み比べセット」と同様の商品がが台湾茶にもあり、10種類以上集めたセットが楽天市場やamazonで販売されています。ご自分の好みの台湾茶を探るのも楽しいと思います。
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台湾茶飲み比べ11種セット
1つ目の楽天市場の商品は各2g、2つ目の楽天市場の商品は各5g、3つ目のamazonの商品は各3gです。どれもたっぷりと楽しめます。
如何でしたか?
日本では烏龍茶や鉄観音に代表されてしまう青茶ですが、実は、発酵の度合いに応じて香りや味が淡いものから芳醇なものまで様々なのです。今回の記事では、その青茶について「味や香りのバリエーションが豊富で、好みの一杯を探す楽しみに溢れるのが青茶…という話。」と題して記事を書きました。
青茶には、体を冷やす涼性のものと、体を温める温性のものとがあります。体調に合わせたり、花粉症の時期に常用すると良いものなど本当に選択基準は味わいだけでなく、本当に色々な切り口があります。
次の記事では紅茶について書く予定です。
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